小㞍 11月に能楽師の津村禮次郎さんとコラボレーションさせていただき、スタジオアーキタンツ10周年記念公演で新作「トキ」を初演するのですが、そこで振付・演出をします。平本さんに音楽を担当してもらって。
20〜30分の作品になります。「トキ」は津村先生の創作能で、それをダンス化したいというお話をいただいて企画がスタートしました。作品の構成と解釈を変えますが、津村先生のコンセプト「トキの再生、自然の再生」をもとに話し合いながら進めています。津村先生には能を舞ってもらい、語りも入る予定。全体として夢物語に仕上げたいと思ってます。能の世界で言う夢幻能ですね。
平本 7月に6日間トライアルをやりましたね。
小㞍 10月中旬から本格的にリハーサルを始めて、11月の24、25日が本番です。
津村先生は能だし、酒井はなさんはバレリーナ、僕はコンテ。いろんなジャンルの人が交わっているのだから、おのおのの特長を活かした舞台にしたいなと。
平本 本番は録音なんですけど、こないだ一緒にLOVE LOVE BANDをやった関口将史くんにチェロを弾いてもらおうかと考えています。
小㞍 津村先生には中盤で能を舞ってもらい、それと同時に僕も踊るシーンを考えてます。そこは先生の声だけを使いたい。だから音楽をどう入れるかは、舞台でどれだけ声が通るか会場に行って確認してからでないとわからないなぁ。
平本 一緒にやるのはいつ以来だっけ?
小㞍 2009年の終わりに川崎市アートセンターでワークショップをやったとき以来かな。
平本 一度Noismで能を題材にしたコンテンポラリーをやったことがあるんです。大鼓と能管と笙、そこに僕がコンピュータ2台で参加しました。大宮ソニックシティの広場で。あのときは和楽器の音だけで作曲して、本番にライブに電子音を混ぜていった。サイン波とか低音のノイズの中に和楽器が散らばるような音響空間を作りました。
同じく能を題材にしているわけだけど、今回は和楽器をほとんど使わないつもりなので、まったく違う舞台になるんだろうな。構想は煮詰まってきてますか。
小㞍 いろいろ練ってます。
平本 久しぶりに一緒にやるから楽しみです!