12曲目「With You」
平本 もう1年半くらい色んなところで演奏してきた曲を漸くという感じです。「ブルックリンパーラー」のライブでは、篠山さんがAKB48を撮った『窓からスカイツリーが見える』の映像とのコラボレーションで演奏したよね。
曲としては長いフレーズがループするだけの簡単なミニマルで、このレコーディングではなるべく静かさを保ち続けて終わりまで演奏しました。ちなみに、僕はライブではピアノやエレピをこの曲で弾いてきたけど、今回はサイン波だけです(笑)。
元木 ブレスの音は結構細かく下げましたね。静かな曲なのでブレスを目立たないように処理しました。あと、この曲は全楽器1つのリバーブを使って全体の統一感、まとまりを出しています。
吉田 1フレーズ1フレーズが結構息を限界まで使っているので、ブレスは仕方なく大きくなってしまうんです。
元木 そういえば上から降り注ぐリバーブにしたいと平本さんが言って、天井の高い狭い教会のイメージでリバーブを作っていますね。
平本 どうやってその教会みたいな感じを作るの?
元木 リバーブは高域を落とすと全体に馴染みやすくなるんです。ホールとかは壁が木だからリバーブも柔らかいんですけど、教会ってことは壁は石だろうなと考えると、高域をあまり落とさないようにすればその固さが出るんじゃないかと思って。そうやってリバーブをいじりました。
13曲目「clenched tomorrow」
中村 これは唯一平本さんからフレーズの音指定があった曲ですよね。
関口 そう。チェロもフレーズが決まっていて、僕だけ8分の7なんだよ、難しくって(笑)。
平本 この曲は結構テンポ早めで生演奏が変拍子の曲を書こうと思ったのがきっかけで。本当はギターもチェロとは違って8分の5にしようと思っていたけど、複雑になり過ぎて面白くないので、チェロだけにしました。ちなみに変拍子は沙良ちゃんのアイディアでね。
あとは、どうしてもラップの入った曲を作りたかった(笑)。沙良ちゃんの声がラップになったらどうなるかを想像してドキドキしながら作りましたね。
トラック数は全体の中でも多くて40、リズムだけで20くらい使っていますね。
吉田 最初のパートはブレスのしどころが難しいし、ラップは大変だしで(笑)、結局ラップなんかオクターブ下も録ったから結構労力を使いました。
関口 中間部以降のチェロとギターのユニゾンはライブでバトルになりそうだよね。フレーズが早くて難しいから生き残りをかけた戦いみたいな(笑)。
中村 最後は平本さんの世界で締めくくる感じでいいですよね。エンディングっていう感じが出ますね。
関口 次のアルバムはどうなるんだろうなって、まだ早いか(笑)。
今後の活動について
平本 リリース後の予定ですが、まだ詳細は発表できないのですが、いくつかライブの予定があります。あと、秋から来年にかけて本作のライブが色々なところでできたらと思っています。詳しくはteknatokyo.comで発表していきます。