平本 番組収録のときの音楽の話を聞いて考えたのだけど、そういったテンションは台北の街全体にあるものなんだろうか……路上ミュージシャンは向こうにはいますか。
佐藤 いるいる。上海だと二胡を弾いてる人がいます。
平本 想像なんですが、きっと、向こうの人はパフォーマンスすることを全然恥ずかしがらないんでしょうね。日本の路上ミュージシャンは結構勇気を持ってやってると思うんだけど。
佐藤 そうですね。日本人って、人と人との間になんとなく薄い壁があると思うのね。アジアではそれがなくて、ほんとにフレンドリーというか。日本で仕事をしていると、上下関係や礼儀の厳しさ以外の部分で、人間同士の壁を感じることがあります。「同じ人間なんだから、いいじゃん」っていうふうに思っちゃうんだけどね、私は。
もちろん台湾でも、先輩を尊敬するのは当たり前だけど、だからと言って余計な気を遣う必要がまったくないんです。それが気持ちいい。逆に、そこまで踏み込んでこないで〜、触れないで〜というところまで入って来られることもたま〜にある。でも、やっぱりあちらのほうが楽に感じるなぁ。