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東京を巡る対談 月一更新

Tekna TOKYO Orchestra スペシャルトーク デジナマ吟醸『テクナオケ』のつくりかた

平本正宏、関口将史、中村大史、吉田沙良、元木一成

収録日:2012年7月18日

収録地 & 対談場所:Tekna TOKYO studio

撮影:moco

制作のスタート時期

平本 最初は関口君、中村君、平本の3人でなにか新しいことをやろうという話をしていたんだよね、去年の7月くらいに。

僕が「World Without End」と「Voyager」の元曲になるようなものを作っていて。

関口 なにか7月頃3人で平本さんのスタジオに集まって、特に音は出さずにエレクトロニクスとチェロとギターで何ができるか、話し合ったよね。YouTubeで自分の好きなエレクトロニクスの入った曲を聴かせ合ったりして。

平本 それで2曲デモを作って、2人に演奏を考えてもらったのが8月くらいで。ボーカルは最初から探していたけど、なかなかいい人が見つからなくて、結局8月の段階では保留だったんですね。

これからどうやっていこうか考えている時に、ちょうど新宿の「ブルックリンパーラー」で篠山紀信さんとのコラボレーションライブをしないかという話がありました。

で、タイミングよく沙良ちゃんに出会うことができて、この4人でやっていこうと。そこからはとにかく作曲してリハして、みんなでセットリスト考えてという感じで12月13日の「ブルックリンパーラー」でのライブまで怒濤の日々だった(笑)。

全部で10曲くらい新曲を作って、篠山さんのdigi+KISHIN映像と合わせながらリハーサルをして。

吉田 必死だったからなんか遠い昔のように感じますねえ(笑)。

中村 僕はライブ当日のこと、結構鮮明に覚えているよ。

平本 そのあと、3月7日に歌手の石井聖子さんとTekna TOKYO Orchestraのライブを六本木ヒルズの「マドラウンジ」でやったり、3月11日に松戸市の戸定邸の庭園でコンサートをしたりして、アルバム作りに本格的に入ったのはそこらへんからですね。

中村 気持ちの予定ではもう少し早めだったんだけど、僕が3月は他のバンドのツアーで東京にあまりいなくて、結局4月の頭から制作を本格的にスタートさせましたね。

平本 それで3~4月で新曲作ったり、今まで演奏してきた曲を全部ミックスし直して、5月から一斉にレコーディングという感じだったね。ちょうどその時期に、チェリストの溝口肇さんにアルバム制作について相談に乗ってもらっていて、溝口さんの話とか自分たちがやりたいこととかを模索しているうちに、レコーディングスタジオを予約して、知らないエンジニアにお願いするよりは、とことんまで自分たちで音作りをできるようにしようと思うようになって。

それで、中村君が、以前レコーディングでお世話になった元木君にエンジニアを頼んだらどうかと提案してくれました。

元木 ちょうど4月の半ばくらいに中村さんから留守電が入って、「最近どうしていますか?」と遠回しにスケジュールを聞かれたのが始まりでした(笑)。

留守電をもらったときは、何をお願いされるのかさっぱりわからなくて。それで話してみたらこのアルバムのレコーディングとミックスの話でした。

平本 本当は全員でレコーディングしようと思っていたのだけど、スケジュール合わせたら1日も5人のスケジュールが合う日が無かったんです。でも、「You and the Cello」と「With You」はやっぱり全員で録らないとダメだと思って、なんとか調整してもらって2時間だけ5人の時間の合うところを作って、ほぼ一発録りでやりました。そのときに1曲目の「unreplayable cyclone」のネタ録りもやって。

結局それぞれの個人活動の合間に、1人1人が真剣に1曲1曲と向き合って作っていった感じ。関口君、沙良ちゃんはそれぞれ3日間スタジオに入ってもらってレコーディングして、中村君は宅録です。

それらをまとめて僕のMacbook Proでラフミックスして、最終的には元木君のMacbook Proでミックスしていきました。ミックスは全5日元木君、関口君、平本の3人は参加して、2日間中村君が参加しました。

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