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東京を巡る対談 月一更新

太田垣悠(ダンサー)× 平本正宏 対談 阿佐ヶ谷に立つ表現者の客観視

太田垣 悠(ダンサー)×平本正宏 対談

収録日:2011年8月2日

収録地:阿佐谷パールセンター(中央線阿佐ヶ谷駅至近)

対談場所:Village Vanguard DINER 阿佐ヶ谷店(杉並区阿佐谷北2-13-4ハイセブン2F

撮影:moco

<商店街がバロメーター>

平本 悠ちゃんにとっての「東京」がなぜ阿佐ヶ谷なのか、話してください。酒を飲みながら。

太田垣 (笑)。多感な時期にここで育ったから、です。バレエ以外の自由な時間はほとんど商店街で過ごしてました。小3から中3まで。

当時もそうだったんだけど、若い子ってあんまり阿佐ヶ谷で遊ばないでしょ? でも、私は誇りを持って、友達を呼んでた。ここで価値観が作られたと思います。

平本 今日は商店街で焼き鳥を食べたりしたけど、その頃はどういう遊びをしてた?

太田垣 ん〜、ただの商店街めぐり。お店に入って、何も買わないけどモノを眺めて……。路地裏に入ったりとかも。

平本 商店街で、ぼーっとしてた?

太田垣 ほとんど瞑想みたいな感じ。まっすぐな商店街を歩いて「こういうのがあるな〜」って、客観的に見ていく。何か目的があるわけではないんですよね。

そうやってることが、自分のバロメーターみたいになってる。商店街を歩きながら感じることを、自分のいまの状態の表れと観るというか。

平本 自分の変化を商店街を通して観察してたんですね。

太田垣 それもあるし、周りの変化を感じようとしてた。

15歳で海外へ出て、大きくなってからは東京に住んでないから、地元の思い出しかないんですよ。

平本 高1で向こうへ行ったんだよね。

太田垣 カンヌの学校へ行き、そのあとフランス・リヨンのコンセルヴァトワールへ行き、4年を過ごしました。

平本 で、リヨン・オペラ座バレエ団に入ったと。人生の半分ぐらいをヨーロッパで過ごしてる計算になりますね。

太田垣 そうなのよ。

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