旬の東京が織り込まれた音楽を リラックスした空間で楽しんで

tokyopianoジャケット画像

全曲即興で舞台音楽を作ったことで新たな境地に

インタビュー:フルタアキラ

撮影:moco

編集:矢本祥子

・なぜアルバム「TOKYO PIANO(以下TP)」を制作しようと思ったんですか? いちばんの理由は?

平本正宏(以下H):簡単に言ってしまうと、こういう風な形にしたら面白いと思う作曲のスタイルが見つかったからです。

10年くらい前からいつかピアノアルバムを作るだろうなと漠然と思っていました。

2013年に映画「さよなら渓谷」の音楽を作曲してからメロディワークがすごく増えて、現実感が高まって来たのですが、どう落とし込んだら自分として面白いかがはっきりしなくて、あと、時期的にもピアノ作品をリリースするアーティストが多かったのでむしろ避けていました(笑)

2016年末~2017年1月にかけて現代美術家の束芋さんと舞台を作ることがあったのですが、これが大きなキッカケになりました。この作品、最初の音楽納品まで時間が4、5時間しかなくて、それで全曲即興で作ったんです。束芋さんが作った映像の断片や作品の鍵になる言葉をもとに、即興でピアノを弾いてレコーディングしていった。これが自分にとって新鮮で、いつもの作曲スタイルから離れることができた上、自分が作ったことの無いような曲がいくつも生まれました。

このやり方をピアノアルバムに結実させたら面白いんじゃないかと、色々考え始め、そこにずっと興味を持っているノイズの要素、東京という街の雑踏の音と対峙させることを思いつき、アルバム制作に至りました。しかも、ピアノは消音ペダルを踏んで、ピアノの機械構造の音を際立たせるとノイズと相性が良くなることも発見しまして。

・TPを制作するにあたり、感情的な部分とビジネス的な部分が背景にあったのがとても興味深いですね。さらに即興を経験したことで、後にそれがピアノで威力を発揮したことに大変共感します。さらにTPで象徴的なノイズとピアノの消音ペダルの関係性についてその意図を聞くことができ、スッキリ感満点です!

なぜTPと名付けたのでしょうか? そのいちばんの理由は?

H:このタイトル、実は1曲も作曲していないときから付けていたんです。もちろん、最初はプロジェクト名くらいの気持ちでしたけど。

東京の雑踏の音を聴きながらピアノを即興演奏するということは決めていたので、東京から生まれるピアノ曲だから「TOKYO PIANO」と、本当にそのまま過ぎるんですが(笑)

・そのままが一番良いですね!


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