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東京を巡る対談 月一更新

野村佑香(女優)×平本正宏 対談 子役から女優、そして母への軌跡

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野村佑香(女優)×平本正宏 対談

収録日:2016年8月3日

収録地:渋谷パルコ前/Royal Garden Cafe渋谷

撮影:moco

編集:矢本祥子

<「怪奇倶楽部」出演のきっかけ>

平本 こんな風にお話しする日が来るなんてなんだか感慨深いです。僕が小学生のとき夢中になっていたテレビ番組「怪奇倶楽部」に佑香さんは出演されていて、テレビの中で活躍する同世代の女優だった。テレビの中は大人の世界だと思っていたのが、佑香さんではじめて同世代を意識するようになり、こういう風に頑張っている人がいるんだと思ったことをいまでも覚えています。

で、佑香さんと折角の対談なので、お会いする前に、実は…「怪奇倶楽部」のエピソード1を見てきました(笑)

野村 声高かったでしょ?(笑)

平本 高かったです(笑)キャーというシーンが2カットくらいあって、ドキッとしました。放送を見ていた小学生の頃は全然大丈夫だったのですが、今はホラーがダメになってしまって、エピソード1でもかなり心拍数上がってしまいました(笑)特に、あの話に出てくる花子さん、目がないじゃないですか、あれは恐かったです。

野村 本当に第1話見てくれたんですね。

平本 見ました、ドキドキしっぱなしで(笑)そして、いま見ると不思議な感じがちょっとするんです。佑香さんとはいま地元の友達だから、あの20年くらい前の仕事をしている佑香さんに、僕の知っている現在のプライベートな佑香さんを見つけるんですよね。例えば、劇中で弟に接している接し方とか。細かくどうこうではなく、雰囲気というか空気感というか。20年で、それは大きな変化があったと思いますし、仕事への接し方や考え方も変わっていったと思います。もちろん、プライベートでもご結婚され、来月にはお母さんになられる。でも、佑香さんの芯にあるものは、あの頃、それ以前から着々と幹を太くし、育っていったのかなと思ったりしました。だから、今日は佑香さんのいままでとこれからを聞いたり、話したりできたら嬉しいです。

「怪奇倶楽部」の出演のきっかけは何だったのですか?

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野村 普通にオーディションの結果だったと思います。子役からプロデューサーさんが何人かピックアップしていて、直接子供と会った時の印象で決められたと思います。あと主役の男の子3人とのバランスもあったと思います。「怪奇倶楽部」は私にとって二回目のドラマで、一回目は小学5年生くらいの時に東芝日曜劇場で泉ピン子さんと堺正章さんの娘役というすごい立場でした。そのとき「怪奇倶楽部」で弟役をやる森廉君が出ていたの。「怪奇倶楽部」はもともと森廉君は決まっていて、廉君のお母さんもプロデューサーさんに「佑香ちゃん、いい子ですよ」と言ってくれたりしたみたいです。

私は当時子役という実感はなくてモデル事務所にいたので、子役として事務所から来ている子とは給与体系も全然違っていました。だから内山信二君が月100万貰ってましたとか、そういうのは全然分からなくて、芝居の稽古も受けたことがなかったくらいでした。

平本 そうなんですか!それはビックリです。迫真の演技というか、とてもリアリティがあったので。

野村 ちゃんとできていたかはわからないですけど(笑)。でも、現場で一から学びました。本を読むのが好きだったから、台本読んで練習はしていましたけど、私の母はステージママではなかったので家でも一人で練習していました。今でもそうなんですけど、台本を練習する時はその姿を人に見られたくないんですよ。

平本 人によっては家族に台詞の相手役をやってもらう人もいると聞いたことがあります。映画「ノッティングヒルの恋人」でもそういうシーンが出てきますし。

野村 そういうのは嫌ですね、恥ずかしすぎて。なのでお風呂でセリフを覚えることもありましたし、自分の部屋で覚えたりもしていました。

平本 人それぞれなんですね。僕も作曲している姿は、見られたくないなあ。独り言をかなり言っていると思うし、できた曲が気に入ってニヤニヤしたりしているはずなので(笑)自分の世界に入り込む作業って、外の世界を手放しているから、どう振る舞うかということに神経注げないんですよね。佑香さんも似たような感じなんでしょうね。

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