＜ここまでのミュージシャン人生＞

平本 現在中村君は29歳になったけれど、人生と音楽はどうですか？　どういう音楽の歴史があるのでしょう？

中村 浅いところから深いところまでありますけど（笑）。

平本 あははは。今のようなミュージシャンになると思っていた？

中村 思ってなかったですね！　ただ自分がこんなに音楽が好きだとは思ってなかったですね。J-POP聴いてたりしてましたけど。

平本 今やっている楽器を始めるまでは、アイリッシュ音楽に興味は？

中村 というわけではないですね。

平本 へー。中、高時代によく聴いていた曲は？

中村 モンゴル800やGoing Steadyですね！

平本 おおー、意外だね！

中村 他は浜崎あゆみ。全部CDを買っていました。

平本 浜崎あゆみ！　なんともいい話だね（笑）。

中村 大学に入ってからギターを始めたのも、森山直太朗がきっかけで。取手にいた１年生の時ですね。

平本 そうなんだ！　それも知らなかった！

中村 森山直太朗さんの歌も好きだし、存在も結構面白くて。歌を聴き始めたのは高校生の時ですね。あと田舎だったから、どんなジャンルでもコンサートは特定のホールでやるわけですよ。よく親が連れて行ってくれて。行ったことによって音楽の知識が深まるというよりは、コンサートが始まる前の感じやコンサートから帰る時の感じ、音楽があってライブがあるっていう一連の流れに感動して。それが今やっていることに繋がったのかもしれないですね。

平本 そのときに幅広いジャンルの音楽を聴けて、ライブでの雰囲気を吸収できてたんだね。

中村 例えば普段あまり聴かないコンサートとか、半分以上寝てても、「あっ、今この曲好きかも」ていうのがありますね。この曲のこの瞬間が本当に素晴らしいとか、全体の中でこの曲はどうなんだろうとか、今の自分の中で決める基準に活きているかなって。

平本 今まで通ってきたコンサートの中で、その感覚が自然と身に付いたんだ。

中村 今思い返せばそうですね。

平本 中村くんのお母さん、すごいね！　お母さんはなんでそんなに頻繁にコンサートに連れて行ってたんだろう？

中村 自分も見に行きたかったみたいですね。

平本 なるほど。じゃあ、特に強く教育的というわけではなかったんだね。それが良かったんだよ、きっと。