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東京を巡る対談 月一更新

中山寛子(スタイリスト)× 平本正宏 対談 あるスタイリストが「裸」に辿りつくまで



<あのお母ちゃんとの旅>

平本 コシノジュンコさんともお付き合いがありますよね。

中山 昔のよしみですね。文化服装学院の先輩で、私が学校に入ったときはもう既に有名人でした。凄く才能のあるかた。その頃、雑誌や何やと引っ張りだこ。

ある日、昼休みの時間に、友達が教室に駆け込んできて、急いでいるふうに「誰かこの服縫ってくれない? コシノジュンコさんが雑誌に載せる服で、月曜日までに必要なの!」って言って、暇だったから私が預って縫うことにしたんです。それがきっかけで知り合うことになりました。

で、私が出版社に入って、仕事でお願いする機会が増えて、っていう流れ。その頃はよく会ってましたね。

そう言えば、いまNHKで「カーネーション」(連続テレビ小説)を放送してるけれど、モデルとなったお母ちゃん(コシノ3姉妹の母親・小篠綾子)とフランスのドーヴィルへ旅行したことがあるの(笑)。

コシノジュンコさんがパリで初めてファッション・ショーを開いた時に、仲間みんなでツアー組んで行ったわけ。その滞在中に、みんなでドーヴィルへ行こうと計画したんだけど、いざ蓋を開けてみると4人しか集まらなかった。いたのが、お母ちゃんとそのボーイフレンド、それにデザイナーの子と私。お母ちゃんカップル以外はほぼ初対面なのに、折角だからっていうんで、そのまま知らない者同士で旅しちゃったんです(笑)。

平本 行き当たりばったり!

中山 ドラマで描かれている通りの人よ、本当に。おもしろい人でね、日本から持ってきた目刺しをホテルかどこかで焼いてきて、ドーヴィル行きの列車の中でビール片手に食べるの!

平本 強烈〜!

その時期は、ファッションをフランスまでよく見に行っていたんでしょうか。

中山 その時期はね。なんと言ってもフランスの時代でしたよ。


フランス旅行思い出の曲、フランシス・レイの「男と女」をYouTubeで聴きながら。

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