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東京を巡る対談 月一更新

中山寛子(スタイリスト)× 平本正宏 対談 あるスタイリストが「裸」に辿りつくまで



<来た仕事を丁寧に>

平本 松濤に住んでいらっしゃるわけですが、生活についてどう感じておられますか。

中山 映画館も駅もデパートも歩いていけるのが利点ですね。便利。この部屋は見晴らしもいいですし。とにかく、徒歩で行動できる範囲に何でも揃ってるのはいい。

もともと、この街は偶然が重なって選んだだけだったんですけどね。

平本 カンコさん、キャリアにおいて、音楽家と一緒に仕事したことはありますか。

中山 音楽家と直接組んで何かをするっていうのはないです。レコードジャケットの撮影で一緒になることはあったけど。

音楽やる人も、ジャケット撮る人も、スタイリングする人もおのおの歌手に抱いているイメージをその表現に投影するわけですよね。お互いに面識がなくても、それぞれの思いがぶつかり、混じり合っていた。そして、イメージ以上のものが出来上がっていったと思います。

ともかく大切なのは、来た仕事を丁寧にこなすこと。そうすることが正解だと思います。打算的にやるのはダメですよ(笑)。

(構成/間坂元昭)


中山寛子(スタイリスト) Kanko Nakayama

長野県生まれ。
文化女子短期大学、文化服装学院を卒業後、学研で編集者として勤務。
1968年フリーランスのスタイリストとして活動を開始。
山口百恵、南沙織、伊藤蘭、郷ひろみ、AKB48などのスタイリングを手がける他、
相米慎二監督作品「翔んだカップル」にスタイリストとして参加。
現在、篠山紀信作品のスタイリングを手がけている。

 

撮影:moco http://www.moco-photo.com/

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