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東京を巡る対談 月一更新

石川遼子(太陽研究者)×平本正宏 対談 いちばん身近な宇宙天体、太陽

<太陽の音を聴く>

平本 ちなみに、太陽に音は存在するんですか?

石川 音波って圧力の圧縮波ですよね、だから存在はします。

そういえば知り合いが、太陽で観測した周波数を音にしていましたね。もちろん音が低すぎるので何オクターブか上げて鳴らしていました。

平本 なんですか、それは!聴きたいです! 超面白そう。

石川 まさに日震学をやっている人で、太陽の音波を研究しているのですが、確かデータがあったはず。

平本 おおっ!!

(太陽の音波を試聴)

平本 超いい音!! でも何オクターブも上げた結果がこれだということは、相当低周波だということですよね。

石川 データをもらったメールに情報が書かれていましたが、2の16乗倍早回ししているらしいです。周波数で言うと3ミリHzですね。

平本 3ミリHz、つまり0.003Hzということですよね。Hzは1秒間の振動回数で、20Hzだと1秒間に20回振動するということ。人間の可聴範囲は20~20000Hzです。3ミリHzということは1000秒で3振動、つまり333秒、約5分30秒で1振動ということですね。超低周波どころの騒ぎじゃない、超超低周波ですね(笑)。

石川 太陽の表面で観測された音波なのですが、太陽の内部の運動によって若干ズレるんですね。そのズレを観測して、内部を考えていくんです。

太陽の内部ってモデルとかもありますが、どうなっているんだろうとみんな知りたい。そのモデルも乏しくて検証されきっていない。手がかりになる情報はどんなものでも手に入れて、そこから見ていく感じです。

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