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東京を巡る対談 月一更新

巻山春菜(畳職人)×平本正宏 対談 植物からものをつくる魅力


<茶道が基礎だけれど、まだ未経験>

平本 畳職人として仕事をしている以外の時はどうされていますか?

巻山 畳屋さんとしての仕事も沢山あるわけではないので、畳とは全然関係のないアルバイトもやっていて、アルバイトの時間であったり、友人と遊んだりしています。

平本 遊ぶというのはどういったことをされていますか?

巻山 自分でいうのもなんですが、交友関係が広いので、いろんなことをしてます。今回平本さんを紹介して下さった方も銭湯好きの人達が集まるサークルで知り合ったんです。この間も錦糸町の銭湯で新しく建て替えた際に富士山の絵を描くのを見るイベントがありました(笑)。

平本 富士山の絵を描く時はお湯ははってないんですよね。

巻山 そうですね。その日自体は銭湯はお休みで、若旦那がバンドを演奏をしたり、もう片方の洗い場ではDJをやっていました(笑)。結構本格的なイベントでした!

平本 斬新で面白い!(笑) 温泉や銭湯は結構行きますか?

巻山 そうですね。うちの母が毎日銭湯に行く人なんで一緒に行きます。やはり日本的なものが好きですね、焼き物とかも好きです。

平本 和食も好きですか?

巻山 そうですね、食べ物なら何でも好きです。あと趣味で生け花をやっていて、今年で4年になります。

平本 本当に日本的なものがお好きなのですね。僕の母は何流かは忘れましたが、師範なんですよ。季節の節目には生けた花があったので、生け花は身近な感じがあります。

巻山 そうでしたか。本当は畳屋さんはお茶 茶道をやった方がいいと言われてるんですよ。茶道は歩くのも畳何目と決まっているそうで、畳屋さんはそれを知らないと茶室が作れないと言われています。うちの初代、ひいおじいさんの茶道のお免状が残っています。

平本 茶室が基本なんですね。昔はそういうことを知っていないといけなかったんでしょうね。

巻山 そうですね。私は高校生の時に友達から茶道部の部員が一人しかいないのでお客さん役をやってと頼まれたときぐらいしか茶道はやっていません(笑)。

平本 あはは。それは貴重な茶道経験ですね(笑)。茶道は、作法が結構細かいですよね。一度何かの機会で茶席に行ったことがあり、あまりにも細かい作法に神経を使っていたら、お菓子の味を忘れてしまいました(笑)。茶碗を回して隣の人に渡しますよね。なんだか自分が試験をされているように感じました。「この人出来た、次は自分の番だ!」みたいな、その場の雰囲気もあるのでしょうけど。もう少し優雅にやりたかったですね、そうしたらお菓子の味も忘れずにいたかもしれない。

巻山 ふふふ(笑)。相手の所作を見るというのも、多分茶道の一貫で、着物とか器、書道含め全部皆が見て判断する で作り上げるのですごい世界ですよね!

平本 そういった世界では畳の部屋が大前提な訳ですよね。日本のものですから当然といえば当然でしょうけど、その世界観での理が続いて今の時代に来ている訳ですから、やはり日本人の生活にとって畳というものは大きいのでしょうね。

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