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東京を巡る対談 月一更新

高谷謙一(「にほん酒や」店長・飲食店経営者)× 平本正宏 対談 旨いものこそ生きる糧

<吉祥寺は今がいちばん出ている街>

平本 最後の方になってきましたが、吉祥寺を選んだ理由は?

高谷 最初は高円寺を思いついたんですけど、自分が最初に来た高円寺とはちょっと違ってしまって。

平本 いつ青森からこちらに?

高谷 高校卒業して就職して、最初は千葉だったんです。船橋とかでエンジニアをしていました。でも全然つまらなくて辞めて、友達と高円寺に来て一緒に住んで飲食に入った。

高円寺はあのときと違ってしまってビンビン来ない。色々考えたら今というのが一番強く出るのは吉祥寺かなと、吉祥寺の駅前って東京感があるなと思うんです。人の多さと皆が周りの人を気にせずに動くところが。

平本 高円寺から中野でなく、西荻窪でもなく吉祥寺に来たというのは?

高谷 自分が店出す時は知り合いの店がある駅は嫌だなと。あと、中野より東には単純に魅力を感じなかった。かつ、日本酒の店をやるにあたっても、人が多いことは重要でした。こんなマイノリティなことをするのに人も少ない、規模の小さいところでやっても面白くないなと思って。

平本 日本酒のお店が吉祥寺はほとんどなかったので、日本酒好きの僕としては有り難かったですね。

高谷 今はそれなりにあるんですけど、一般的に知られていなかった。日本酒業界内評判と一般とは違うじゃないですか。一般の方で勝負したいので、こちらで話題にならないとよくないなと。

平本 通が知っている店になっても仕方ないですしね。

高谷 役割分担があると思うんです。通の人達も必要で、ただ自分の中では入り口側に立っている方がいいなと思っています。

平本 お酒の中ではマイノリティなんですよね。僕はすごく好きだから分からないのですが。

高谷 たぶんハイボール、ワインに比べたら全然少ないと思います。だから他のお店と競合することもないですし、常に外に開いていけば単純に9割以上の人を相手に出来るという強みがあるので。吉祥寺は人が多いですし、やりがいはありますね。

平本 イベントも結構していますよね?

高谷 そうですね。飽きっぽいので。やっぱり刺激が欲しいですから。

平本 今年は3周年ですが、何かありますか?

高谷 夏くらいには朝ご飯と昼ご飯をやろうと思っています。

平本 おおー! 行きたいですね!

高谷 旨いものを食べるのは気持ちがいいので。極端に言えば1日3食、食べない人は2食、この食事で旨いものを食べれば、相当いい1日になると思うんです。それはやった方がいいかなと。ただ、体力的にはきつくなるので、うまく考えながら出来るような体制を整えてやろうかと。家族とも相談しつつ(笑)。

吉祥寺の人にはすごくよくしてもらったので、恩返しとまでは言わないですが、美味しい朝ご飯を食べてもらおうかと思っています。

平本 すごく楽しみですね! お酒飲んじゃうかも!

高谷 お酒朝から出しますよ。朝は1杯無料でつけようかとも考えているくらい。

平本 旨いもの、テンション上げてくれますよね。

高谷 旨いもの、本当にいいですよね。

平本 あ、すごくいい結論になりました(笑)。これからも「にほん酒や」さんで日本酒と沢山旨いものを出してください。今日はありがとうございました。


高谷謙一(「にほん酒や」店長・飲食店経営者) Kenichi Takaya

青森県出身。1979年4月22日生まれ。
高校卒業と同時にシステムエンジニアとして企業に就職するも、
コミュニケーションの少ない仕事に嫌気がさして退社。
なんとなく始めた飲食店での接客になにかを見つけ今に至る。

約10年の飲食店スタッフ経験後2009年8月吉祥寺に「にほん酒や」開業。
日本酒業界内へしっかりとした軸を持ち、

日本酒業界外へ日本酒を勧める役割を担いたく日々精進。

にほん酒や http://web-farmer.jp/

撮影:moco http://www.moco-photo.com/

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