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東京を巡る対談 月一更新

鳴川肇(建築家)×平本正宏 対談 遠隔地の風景と時間軸の作図法

<宇宙の地図を目標に>

平本 オーサグラフは、ある意味で、すでに分かっている世界地図の見えかたを“正しく”したものと言えると思うんですが、宇宙のように形さえ認識があやふやなものの地図に、鳴川さんがアプローチしてくれれば面白いんじゃないかと思いました。どうアプローチされるのだろうと。

鳴川 ええ。今後も、世界史地図は大掛かりにやっていこうと思ってるんですけども、宇宙地図が最終目標かな、とは考えています。


オーサグラフの新たな展開を書きながら説明してくださった

地球を切り開いて、マントルや内核・外核などの、内部の地図を作れるだろうし、また、それと同じ手法で、太陽系を含む半径の球面でひとつの長方形地図、あるいは銀河系を含む半径の球面でひとつの長方形地図、っていうふうに、地球を中心にして玉ねぎのように一枚一枚丸い皮を四角く広げて繋げていくことで、全宇宙をひとつの地図に落としこめるだろうと思っています。当然、その地図は、時間軸を収めることになりますよね。半径1万光年先から届く星空は、1万年前の星の輝きですので。

そういうことまでやりきったら、隠居します(笑)。

平本 宇宙の地図はきっと更新されていきますよね。で、その更新自体をメタ的に地図に落としこむことが可能になれば、鳴川さん個人を超えた大きなプロジェクトに進んで行ってくれそうですね。

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