フルタヨウコ(料理家・編集者)×平本正宏 対談
収録日:2015年1月24日
収録地:東京タワー
撮影:moco
<偶然の料理本スタート>
平本 ヨウコさんとはプライベートでご一緒する機会がよくありますが、こうやってお話しするのは初めてですよね。今日はちょっとまじめに(笑)、いろいろとお話しできればと思っています。
実はすごく聞いてみたいことが以前からありまして。ヨウコさんは東京出身で、建築系の大学を出られて、大学卒業後は建築のお仕事をされていたんですよね?
フルタ そうですね。新卒で入社したのは家具屋で、そこでインテリア系の展覧会の企画をやっていました。
平本 そこから料理研究やレシピ本の執筆などの活動にはどういう流れで繋がっていったのですか? ヨウコさんのwebサイトに書かれているプロフィールを拝見しましたら、料理から展示の企画まで何でもされていると。もともと料理はお好きでした?
フルタ もともと料理は好きで、それこそ小学生の高学年の頃にはもう本をみて料理を作っていて、大学生の頃のバイトも設計事務所か飲食系のバイトしかしていなくて。
平本 料理を作ることは自然で、むしろ人に自分の料理を振る舞うのはお好きでした?
フルタ 料理をするのも好きだし、バイトをしていたのも宴会場や結婚式場だったので、大人数のパーティ料理の塩梅もわかっていたんです。だからケータリングのパーティをやるのも抵抗がなくて。あまり自分でこれをやろうと思って進んだことがなくて、流れでやってきたところはあります(笑)。
平本 その流れは興味ありますね。ちなみに最初にレシピ本を出したのはいつですか?
フルタ 果物の料理本が初めてなので、2年前です。もともとカメラマンをやっていた時代、山陰旅行というガイドブックのカメラマンをした時の編集者の人が出版社を移られて、そこで料理本を作れと言われたみたいなんです。だけど料理本の経験をあまりしたことがなくて、周りにも料理家がいなかったので、料理の仕事をカメラマンの仕事と平行してやっていた私のところへ(笑)。
平本 おお、これも素敵な流れですね。
フルタ それで、何か料理本を作ろうって言われたんだけど、何にしようと一緒に考えながら作ったという形なので、私が自分でレシピ本を出したいと思って出したわけじゃないんですよ。
平本 それまでにヨウコさんが別の場所でレシピを公開していたのを見て、知らない編集者から連絡をいただくとかそういうわけではないんですね。
フルタ そうです。
平本 面白いですね。本当に周りの流れを楽しんで乗っている感じなんですね。
フルタ だけしかないです(笑)。
平本 特に逆らうこともなく?
フルタ そうです。だから流され人生です。
平本 フルタヨウコさんで「流され人生」ってほとんど歌謡曲のタイトル(笑)。曲も詞も、なんならこれを機に作ってしまいましょうか。
フルタ 着物のほうがよかったら着て唄いますよ。自分で着れますし(笑)。
平本 そのヨウコさんの何でもできる感は羨ましいですよ。
フルタ 何でもはできないです。作曲できないし(笑)。出来るものが少し多いかもしれないですけど。