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東京を巡る対談 月一更新

旬の東京が織り込まれた音楽を リラックスした空間で楽しんで

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東京のノイズを消音ペダルが際立たせてくれるという発見

・TP全体でいちばん気にして使ったテクニックは?

H:「TOKYO PIANO」ではピアノは全曲消音ペダルを踏んで演奏しています。音が柔らかくなるのと、機会音が引き立ち、ノイズ成分が強くなる。その音が、東京の音と妙に相性がいいんです。今回テクニックとしては、その消音ペダルを踏んだときにいい音が鳴る運指のスピードや力加減を事前に探り、この音を最大限活かせるような演奏を心がけました。

・わたしもあの「消音べダルの音」ファンになっちゃいました(笑)

あまりこの手の技法に耳が触れたことはなく、その新鮮さや独自のスピード感のとりこになってしまい、アルバムを手に入れてから1週間くらい聴きまくってしまいました(笑) この作品は、自分が好きなヘッドホンで聴くのがベストですね!

H:聴きまくってもらえるのが一番嬉しいです(笑)

・なぜそのテクニックを選んだのでしょうか、いちばんの理由は?

H:実はこの「TOKYO PIANO」、大きなテーマとして「ノイズ」があります。

ノイズへの興味は昔からずっとあり、ノイズを使った作品を本当に沢山作曲しましたが、ここ最近はノイズを用いることに飽きていたんです。

それが昨年末くらいからまたノイズに興味が出てきて、それならノイズをテーマにいくつかの作品を作ってみようと思い、まず最初に取りかかったのが「TOKYO PIANO」でした。

だから、本来ノイズを排除して録音するピアノも、なるべくそこに存在するノイズを多く録音したかった。それには消音ペダルを踏んだ方が、ピアノのノイズ成分を際立たせられると思ったことが、こういうテクニックを選択した始まりです。

・なるほど、ピアノ作品だけど、実はノイズ作品だったのですね。よく、わかります!

この作品はいわゆるギラギラ、キラキラしたピアノ感を全く感じません。ここはひらもんがノイズを主役に意図されて作られたことを知ることができて興奮しています。

H:この消音したピアノの音が最近とても気にいっていて、ピアノを弾くときはもっぱらこの状態で弾いています。もちろん、ピアノ本来の音ではないのですが、なんでしょう、いまの自分が探りたい音なんでしょうね。

・心地よい!のかな?

H:心地よさはもちろんですが、ピアノの機械構造に直接触れている感覚が気持ちいいのだと思います。消音されている分、普段のピアノとは違った演奏の難しさもありますし。

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