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東京を巡る対談 月一更新

野村佑香(女優)×平本正宏 対談 子役から女優、そして母への軌跡

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<学校へ行くことが演技と同じくらい好きだった>

平本 その後の活動への影響は大きかったですか?

野村 「怪奇倶楽部」を機会に忙しくなったし、忙しすぎて覚えてないことも多かったですね。睡眠時間が3時間という日もありました。でも、学校は好きだったのでなるべく行くようにしていました。ところが、この前友達に会ったときに「佑香、水曜日しか来ていなかったよね」って言われて驚いたんです。私は頑張っていっているつもりでしたが、実際はあまり行けていなかったんでしょうね。それでも、中学生の時は文化祭に参加したり、中間、期末試験はちゃんと受けていたし、友達にも恵まれていたので良い思い出は沢山あります。中学校の修学旅行先で他校から人が集まってきちゃった時も友達が守ってくれましたし、その友達とは今も仲の良い関係が続いています。

平本 ああ、なるほど。佑香さんは人に恵まれてきたんだろうなという空気感がありますよね。それは昔から友人やまわりの人たちとお互いを大切にし合えてきているからなんだなあと、話を聞いて思いました。

野村 そうかもしれないです。学校に行きたいという気持ちは高校生になっても変わりませんでしたし、事務所も対応してくれていました。「なんで学校に行くの?」と同年代の俳優さんに言われたこともあるけど、学校が好きだったんです。だから、大学も受験して、本当に行って良かったなと思います。大学での専攻はヨーロッパ文化だったので、今の旅番組等の仕事にも繋がっています。

平本 結構珍しい学科だよね。

野村 語学を学ぶよりかは文化を学びたかったの。小学6年生の時に仕事で初めて海外に行く機会があって。当時は撮影が終わった後に、番組スタッフが私たちの母達も連れて皆で六本木でカラオケをやったりとまだバブルの名残が残っていた時代でした。小学生時代にずっと漫画雑誌「ちゃお」のCM撮影の仕事をしていたのですが、小学校卒業記念でスタッフにCM撮影としてサイパンに連れて行ってもらいました(笑)。しかも、お母さんも妹も一緒に。これが初めての海外旅行でした。それから中1のときに「ウルルン滞在記」の仕事があり、その後も海外の仕事をやらせてもらっていました。ヨーロッパが多くて、アメリカは一回もなかったの。初めての「ウルルン滞在記」では牧羊犬を育てるという体験をして、ホームステイもしました。あと、お父さんがファッション関係の仕事、ミラノやフィレンツェへ服の買い付けに行っていて、私にも服を買って来てくれたり、イタリアの良さを聞かせてくれたりしたことが大きかったと思います。今でもその時買ってもらった服を着ているし、今見てもいい服だなと思います。だから、ヨーロッパに対してはすごくいい印象、いい経験があったんです。

平本 じゃあ、その学科は本当に佑香さんに打ってつけの学科だったんですね。

野村 そうですね。でも、実は高校3年までは大学に行くと思っていなかったの。すごく悩んでいて、このまま仕事をしていけばいいのかと思っていたし、色々な先輩に話を聞いていました。大学へ行った先輩の話を聞くと、皆楽しそうだったのと、あとは自分の人生を振り返ってやっぱり学校は好きだったなということに気付いて、高3の夏ぐらいから勉強を始めました。死に物狂いで勉強しました

平本 学校が好きと胸張って言えるのはすごい。僕は反対に学校好きじゃないと胸張って言える、大学院まで行っちゃったけど(笑)

でも、高3の夏からだと結構勉強大変だったでしょ?

野村 1日13時間くらい勉強していたみたいです。

平本 すごい!大学の先生をしている友人がこの間話していたのは、才能はそこそこあるけどサボっている人より普通だけど日々コツコツ努力している人の方が最後は勝つ、という結論を出したんです。僕は音楽だけはコツコツやってきたので、それが少し実を結んでくれているかなと最近感じたりしてますよ。

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